町田ゼルビア MF選手 2017年J2前半戦 総評
公式サイトより
2017年のJ2リーグは21節が終了し、今週末から後半戦に突入します。町田ゼルビアは奮闘するものの現在16位となかなか厳しい位置にいます。
期待の意味も込めゼルビア戦士の前半戦を総括しています。今回はMF選手です。なお土岐田と奥山はDFとして次回紹介します。
※選手の写真は公式サイトより。またデータはFootball LAB より引用しています。
- 【センターハーフ(ボランチ)】
- 6 李 漢宰
- 15 井上 裕大
- 29 森村 昂太
- 【サイドハーフ】
- 8 谷澤 達也
- 11 中村 祐也
- 14 吉濱 遼平
- 18 平戸 太貴
- 32 戸高 弘貴
- 39 重松 健太郎
- MF総括 ボールを運べるボランチが必須 右サイドは改善の兆し
【センターハーフ(ボランチ)】
6 李 漢宰
16試合出場 1ゴール 1アシスト
李漢宰 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
ゼルビアを試合でも精神的にも支えてきた闘将も35歳となり大ベテランの域に近づいてきました。決して大柄とは言えない体格でこの歳までボランチを、しかもスタミナの消耗が激しいゼルビアで主力としてチームに貢献する姿は熱い!としか言いようがありません。
今シーズンは群馬戦のラッキーゴールで初勝利に貢献しました。ボランチらしくボール奪取力が高いですが、近年はさすがにスタミナが低下しているのを感じます。ロングパスでサイドチェンジの起点になるようなプレーをおり交ぜればスタミナ温存しながら戦えると思うのですがゼルビアは密集し過ぎているので難しいですね。
ハンジェの後継者として任せられるボランチはまだ出てきていない思います。ボランチの補強、育成はゼルビアの最重要課題だと僕は考えています。
15 井上 裕大
18試合出場 2ゴール (グラフは2016時点)
井上裕大 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
ゼルビア2年目を迎えチームにフィットし、現在ボランチ選手で最もスタメン起用されています。積極的にシュートを放てるようになりゴールも決めています。また右サイドもこなすユーティリティ性も貴重です。
また選手会長を務めるなどキャプテンシーも発揮。熊本戦でゴールを決め、交代したハンジェの元に駆けていく姿は燃えましたね。おそらくハンジェの魂を引き継ぐのは裕大かと思いますが、守備面で少し物足りなさがあります。成長も含め今年の裕大は注目です。
29 森村 昂太
17試合出場 1ゴール 1アシスト
森村昂太 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
森村もゼルビア3シーズン目を迎え必要不可欠な選手となりました。開幕当初は右サイドハーフを任されました。起用の狙いは日本代表の本田に近い働きだと思いますがあまりチャンスを作れず、第10節水戸戦以降は元のボランチに戻っています。
左足のキック精度は高いのですが、今年はCKでのアシストが少ない気がします。しかし高い位置でのトップ下のようなプレイが目立ってきました。ペナルティーエリアの手前でボールを受けワンツーなどでパスをさばくなどリスク覚悟のプレーをしているのでそこを見てほしいです。
松本山雅戦で見せたゴールのように細かいフェイントを混ぜ込める様になると、ゲームメイカータイプのボランチとして驚異的な選手になると思います。 もう一皮剥けてほしい選手です。
【サイドハーフ】
8 谷澤 達也
19試合出場 1ゴール
谷澤達也 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
若い頃に比べて数字での結果は少なくなっていますが、ゼルビアの重心を前に移すことができる貴重な選手です。ときにポストプレーもこなし厚みのある攻撃の起点になっています。
松本山雅戦ではファンタジーなプレーで格の違いを魅せていました。
足元から少し離れたボールに敢えて相手を食いつかせて、アニメのように交わしていく谷澤達也のいやらしさ置いておきます。 #zelvia pic.twitter.com/WK7P4jiqJe
— ループシュート (@loop_shoot) 2017年5月13日
ハンパねぇ!
怜大との連携でクロスを上げるところまでは良いのですが、相手3バックが揃っているのとゼルビアFWが中央にいないため跳ね返される事が多いです。カットインで相手CBを引きつける動きがほしいです。右サイドに戸高が入る事で両サイドでボールを持てる様になりつつあり、後半戦はヤザー側もよりチャンスを作り出せるのではないかと期待しています。
11 中村 祐也
2試合出場 (グラフ無し)
中村祐也 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
後半戦巻き返しのキープレイヤーの一人です。昨年の好成績は右サイドのコンバートに成功した祐也の活躍無くしてはありませんでした。
第20節ヴェルディ戦で遂に復帰。再び右サイドで輝けるか期待です。戸高のコンバートも上手くいきそうですし、祐也が復帰することで課題の右サイドが一気にバリエーションのある強みへと変わるはずです。まずはヤザーの交代要因としてコンディションを上げていきましょう。
14 吉濱 遼平
17試合出場 4アシスト (グラフは2016時点)
吉濱遼平 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
ゼルビアで再起を図る左利きのテクニシャンで、切り札として起用することが多いです。アビスパ戦で裕希のハットトリックを全てアシストしたインパクトは強烈でした。
ハンパねぇ!!
しかしそのアビスパ戦以外ではなかなか違いを見せることができていません。
右サイドからカットインしてチャンスを作るプレイヤーですが、後半戦はポジション争いが激化し出場機会の減少が危ぶまれます。貴重な左利きのプレイヤーなので左サイドハーフにコンバートするのもアリだと思います。
18 平戸 太貴
6試合出場 (グラフ無し)
平戸太貴 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
アントラーズの将来を担う若いプレイヤーです。天皇杯でフル出場を果たしました。攻守にバランスの良いクロサータイプの選手の様です。ボランチもこなすのでもっと見たい選手ですが主力になるまでもう少し時間が必要そうです。
32 戸高 弘貴
7試合出場 3ゴール 1アシスト (グラフ無し)
戸高弘貴 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
2年半のブランクを経て遂に復帰した天才肌のプレイヤーであり、後半戦の最注目選手です。天皇杯を含めここ5試合で4ゴールとコンディションも整いこれからの活躍に全てのゼルビスタがワクワクしています。
山形戦で右サイドハーフとしてスタメン出場しゼルビアに新風を呼び込みました。
ハンパねぇ!!!
両サイドでボール保持と勝負することができるので、相手を崩す機会が増え、ゼルビアの守備負担も軽減が期待できます。
後半戦は非凡な攻撃センスを十分に魅せつけてくれることでしょう!なお本人はシャイっ子なので平常心でプレーさせてあげてください。
39 重松 健太郎
18試合出場 3ゴール
重松健太郎 2017 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
本来はストライカータイプのFWですが、主に岡崎慎司の様なサイドハーフを任されます。身体能力が高く174cmとは思えない空中戦の強さも備え、貪欲にゴールを狙う姿はまさに蒼きウルフ。愛媛戦での無回転FKは強烈でした。
ハンパねぇ!!!!
サイドハーフの競争が激化してきたため、後半戦はFW起用に戻すのも考慮しながら起用するのが良いと思います。重松はやれば出来る子です!
MF総括 ボールを運べるボランチが必須 右サイドは改善の兆し
まずボランチですが裕大が頭角を現してきました。ハンジェがゼルビアの核であることは変わりませんが、さすがに全試合をフルパワーで戦いきるのは難しくなってきました。
森村を含めた3人でローテーションしており、奥山や平戸も控えていますが、どの選手も自分で前にボールを運ぶのが課題です。自らが相手DFを剥がしFW陣の得点をお膳立てをする働きが求められます。重要なポジションのため総合的な能力の高い選手の獲得が急務であると考えています。
サイドハーフに関して、上の図の通り左サイドはヤザーの独壇場ですが、右サイドは色々と試してきました。いずれの選手もヤザーの様な違いを見せられず攻撃が左サイドに偏りがちで相手からすると守りやすかったと思います。
しかし戸高の起用で状況が一変しそうです。更に祐也も復帰して一気に選手層が厚いポジションとなります。右サイドの強化で逆サイドのヤザーも活性化すると思います。
FWとサイドハーフの選手たちはJ2でも十分に通用すると思います。繰り返しになりますがその選手達に決定的な仕事をしてもらうための働きができ、守備も申し分ないセンターハーフの補強・育成がゼルビア最優先課題と考えます。後半戦はボランチに着目しながら、まずは戸高がチーム全体に良い影響をもたらすか注目しましょう!!