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モンテディオ山形 2-2 町田ゼルビア 強気と焦りで生まれた教訓 (2018 第4節)

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フォトギャラリー:明治安田生命J2リーグ第4節vsモンテディオ山形 | FC町田ゼルビア オフィシャルサイト

2018 第4節。モンテディオ山形 × 町田ゼルビアの戦いは2-2の引き分けとなりました。山形の皆さんが雪かきをしてくれたお陰で素晴らしいゲームを楽しむことができました。改めてありがとうございます。

内容はと言いますと、ゼルビアは勝てた試合を逃したのか、何とか引き分けに持ち込んだのか。どちらかといえば後者でしょう。

そして6位以内を目指すならもっとやらないと!と悔しがっている方もいることでしょう。そうですね。僕もその思いを持ちます。しかしゼルビアが強くなる過程を見届けることに楽しみを感じています。

今日の2失点は防げる可能性があったのでは?と思うものでした。今回の記事はその辺りを書いていければと思います。

ゼルビアがもっと強くなることを願って。

第4節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。

1.トピック マッチレビュー

孝司不在の真価を問われるゲーム

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対3バック 90分3本勝負 第2ラウンド!!

モンテディオの木山監督は、やはり相手に合わせて布陣を変更してきました。コンパクトなゼルビアに対して3-4-2-1を敷き、攻撃の組み立て時に数的不利となる状況を少なくしつつ逆サイドを利用する狙いです。ゼルビア相手にサイドに配置するのは1人で十分です。そしてDF茂木とCH中村、松岡の3人がポジションをスライドすることで様々な陣形となることで隙を生み出し、逆サイドへ展開しチャンスを生み出そうとしました。

ゼルビアはいつも通りの4-4-2。相手に合わせず自分たちのサッカーを信じるのみ。右SBは大谷が初スタメン。左SHは戸高が復帰。右SHは平戸。FWは前節に続き中村祐也が裕希と2トップを組みます。

エース鈴木孝司は今節も不在。前節は孝司がいないことで昨年同様、キープ力がダウンして攻撃の幅が狭くなっていました。僕はこのモンテディオ戦は果たして孝司不在で「チームが機能するのか?」「3-4-2-1のチームに勝てるのか?」の真価を問うゲームと位置付けて注目することとしました。

結果的には、町田の記者さんが孝司の怪我は軽度だと思うと言っていた、とDAZN実況者が言っていた言葉を信じて早急な復帰を願うばかりとなってしまったのですが…。

電光石火の一撃も疲労の速さは補えない そして響くエースの不在

このゲームも風が強いゲームだった様です。ゼルビアは前半、向かい風を受けて試合することになりました。

しかし前半10分までは立ち上がりのDF熊本のバーを叩くミドルシュートを除いてはゼルビアのゲームだったと思います。その要因となったのはロメロ・フランクの昨年までのゼルビアに無いCHのキープ力と前に運ぶ能力。そして平戸と戸高で仕掛けるセットプレーです。モンテディオは後退を余儀なくされ、前線に良い形でボールを運べないしセカンドボールもゼルビアが回収できていました。そしてモンテディオがペースを掴めないでいる前半9分にゼルビアが先制します!

相手GKからのロングフィードを跳ね返し、裕大がセカンドボールを回収。後方へのパスを受けた深津が機を伺い低軌道の縦パスを出します。ボールは相手DF茂木が跳ね返しますが、その瞬間を祐也が狙いゴール近くで即時奪取に成功します。そこからワンタッチで裕希へ。短いドリブル→フェイント→クロスの一連の流れをさせたらJ2トップクラスであろう大天使裕希さんが中に折り返し最後は走り込んだ戸高が決めました。完璧なショートカウンターでした。ここはJ2。相手のDFのクリア技術にも難があるので苦手な3-4-2-1であろうと、このように低軌道の縦パスからの即時奪取は狙い目でした。

しかしゼルビアはその後の縦の展開を高い軌道のロングパスで行います。このやり方がマズかった。風の影響もあったとは思いますが前線の身長が高くないゼルビア攻撃陣はボールを収めることができません。セカンドボール回収合戦となり、コンパクトなゼルビアは移動距離を重ねていきます。空中戦にも強い鈴木孝司の不在がチームの疲労に影響します。

前半30分辺りにはロメロの支配力も薄くなり流れはモンテディオに傾きつつありました。ゼルビアはヴァンフォーレ戦でその予感はありましたが、ボールを運べず空中戦か極端なサイドアタックを繰り返すしか出来ず、それも跳ね返されてしまう内容でした。

後半もゼルビアは戦い方を変えません。あくまで空中戦からセカンドボール回収とその後の素早い攻撃への切り替えに勝負をかけます。そして久々に良い形でセカンドボールを得たゼルビアが左サイドからトップギアで仕掛けますが、その強気な姿勢が裏目に出てしまい、逆にカウンターを喰らい後半7分にアルヴァロ・ロドリゲスに同点にされてしまいます。勝っているのにカウンターを喰らうゼルビアの悪癖が出てしまいました…。

前半30分辺りから嫌な流れがあり、カウンターから同点にされゼルビアは動揺したのでしょうか、その後は目も当てられない状況が続きます。ロングパスは相変わらず跳ね返され、陣形は間延びし幾度もピンチを迎えます。ゼルビアは祐也→森村(CHに入りロメロが右SH、平戸が左SH、戸高がFW)、ロメロ→杉森(左SHに入り、平戸が右SH)、平戸→ドリアン(FWに入り戸高が右SH)と交代カードを切りますがチャンスは杉森の惜しいダイビングヘッドのみ。逆にモンテディオにCKを繰り返し与えてしまい、後半38分に逆転されてしまいます。杉森はゴールを決められなかったことを悔しがっていました。

ゼルビアは今日に限ってどうしてロングパスに頼るのにトップに戸高を移したり、ドリアンの投入が遅かったのか?試合運びにも課題が見えました。

試合は後半44分に松本怜大の不要なファウルからセットプレーを得たゼルビアが、キッカー森村の素晴らしいクロスをドリアンが決めて引き分けることが出来ました。前半30分以降は相手のゲームでまさに九死に一生。勝ち点1を得ることが出来ました。

それでは反省会です

強気な姿勢の裏に潜むリスク管理不足

最初の失点シーン。奥山がボールを奪い損ねてカウンターを喰らいゴールを奪われる、チャレンジした結果の仕方の無い失点の様に見えますが、その前の攻撃から振り返ると問題が見えてきます。

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セカンドボールを回収し左サイドで奥山→ロメロ→戸高と繋ぎギアを上げて攻撃開始。奥山は既にパス&ゴーにてオーバーラップ中。しかし奥山の攻め上がりは必要だったのか?確かに奥山が攻め上がる事で前線が4対4の状況となるが、リードしている状況、戸高の後ろに相手が2枚、そしてオーバーラップ自体が効果的なのか?

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戸高のスピードが上がるより先に後方にいる三鬼と松岡の2枚が追い付くので、戸高は縦に進まず斜め内側にドリブルで進み大外の奥山にパス。相手の戻りの速さが上回っており、奥山のオーバーラップは効果的だった。しかしこの時点でモンテディオの守備を誘い出せていない。

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パスを受け取った奥山は勢いよくサイドをえぐるのか、と思いきやアーリークロス。中の攻撃陣は準備できていないし、クロスは手前で跳ね返される。オーバーラップとは何だったのか…

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しかし跳ね返りを回収できるチャンス!奥山が奪取を図りボール目がけて全力で足を出すも相手DFとの競り合いで自爆。

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からのカウンター。そして失点シーンへと続きます。始めに戸高がパスを受け取った時点で奥山は既にトップギアになっていました。なので奥山を使う選択をしました。それでは何故…

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ここで戸高は大外を回って奥山の前に出てしまったのでしょうか!?

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奥山にボールが出た時点で、戸高は奥山が奪われた時のカバーを考えながらポジション取りをしなければいけません。つまり勝っているにも関わらず、リスク管理をせずに攻撃していたことになります。三鬼の側に位置取る必要がありました。

この考え方は非常に重要です。あの状況で戸高が大外にいる奥山のさらに外側から裏のスペースを狙うことは、相手のカウンターを受けるリスクを冒してまで行うメリットはありませんでした。勝っているのにカウンターを喰らうとは、状況とリスク管理を把握していないポジショニングから発生する結果であると言うことができます。これは改善しなければなりません。

あとオマケですが、ゼルビアはスペースや時間を支配しながら少人数で崩せるショートカウンターのパターンを身につける必要があります。あと大谷は阪野の空中戦のこぼれ球を気にするよりアルヴァロ・ロドリゲスにマンマークした方が良かったです。他のスライド対応では失点を防ぐ活躍を見せていただけに悔やまれます。

焦ってのヘディングよりキープを

2失点目はCKからやられました。杉森のクリアミスを叩き込まれた形でしたが、その前に相手に空中戦を勝てなさすぎで、いずれ失点していたと思います。ゼルビアのセットプレーからの失点は残念ながら今年も覚悟する必要があります。

ゼルビアがセットプレーからの失点を減らすには、セットプレーを与えないことが根本的な解決方法になります。具体的にはまずは上述したリスク管理を考えたポジショニングをすればカウンターから被CKとなる回数は減ります。

そしてもう1つ。浮き玉の対処を、状況によってはヘディングでなくトラップしてボールをキープすることです。

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DFのクリアボールを裕大がバックヘッドで前のドリアンに再び空中戦を託す場面ですが、このキープするチャンスを逃した後にCKから逆転されてしまいました。

攻め込まれ焦っていたのもあるでしょう。前半は足でキープするシーンも見ることができました。しかしこれをラフにヘディングしていては流れを引き戻すことは出来ません。焦っているときこそCHの役割が大切になります。キープのスキルを高めないと失点は時間の問題という場面でした。

次のゲームはすぐに来る

失点シーンから、過酷なJ2を勝ち抜くために改善すべき課題を見つけてみました。重要な教訓を得たゲームだったと捉えたいです。逆を言えばゼルビアの実力は限界でなく、まだまだ強くなれるのだと思います。この課題がクリアされたとき、今の資金・環境でも6位以内を目指すことができるはず。今年中に改善できるか楽しみながら見届けたいです。

選手・スタッフの皆さん、ファン・サポーターの皆さん今節もお疲れ様でした。次は水曜ナイトゲーム松本山雅戦。悪天候かもですが、それを吹き飛ばすくらい僕のタオルマフラーは暴れると思います。ホームで勝てるようにまた応援しましょう!今回はここまで。次のプレビューでお会いしましょう!それでは⭐️

 

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