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2018 第15節 栃木SC vs 町田ゼルビア プレビュー3 〜攻守分析〜

J2第15節。栃木SC×町田ゼルビアのプレビューの続きです。今回は栃木SCのセットプレーを除く攻守の戦術についてざっくりと分析したいと思います。

栃木の強力な武器であるセットプレーとロングスローを未然に防ぐことが出来るのか見ていければと思いますが実際にはどうでしょうか。

第15節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。

1.トピック 2.セットプレー分析 3.攻守分析 4.餃子分析 マッチレビュー

守備

前線のプレッシング

FW大黒が出場しているか、攻撃側のビルドアップ状況によりますが、スタート位置は低いです。センターサークルの手前が開始位置の「守備的プレッシング」と定義される方法です。

別項目で詳しく追いますが、栃木は基本的に自陣で5-3-2ブロックを形成して守ることを優先しています。従ってプレッシングの開始位置も低く設定しています。

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相手を追い込む様な前線プレッシングを行う戦術は見られません。負けているときや状況により追い込むことも当然あるとは思いますが戦略的ではなく散発的なものです。

プレッシングのスイッチはボールホルダーと1対1の状況になった場合に散発的なプレッシングをしかけます。スイッチ役はボール付近のFW、OH、WBの1人です。

プレッシングを主体とする戦略を取り入れるのであればスタート位置の高さに関わらず自分のゾーンに相手が侵入したら、チームの目的に応じた追い込み方を仕掛ける訳ですが、栃木はボールを奪うプレッシングには見えません。特にFWのプレッシングは緩いです。おそらくプレッシングの狙いは、

  • ブロック形成のための時間稼ぎ
  • 相手のミスの誘発
  • (大黒の)体力温存
  • カウンターのためのポジション取り

が目的だと思います。

それは中盤との連動性からも伺えます。第1プレッシャーラインのFWはただ対面して相手にボールを回させて、中盤より下の選手たちはブロック守備を保ちつつスライドしながら時折プレッシングで詰め寄り相手の攻撃を限定させます。

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ヴァンフォーレがプレッシャーを交わして逆サイドへボールを送りますが、栃木のブロックはスライド完了したにも関わらずFW陣は未だにゆっくりボールサイドへと近寄る動作をします。それが不気味さを漂わせています。

栃木の第1プレッシャーラインを外すのは逆サイドへボールを回すだけです。勝負所はお互いここではありません。しかしゼルビアは上述した栃木の狙いに付き合ってはいけません。素早く相手陣地へ侵入して相手を全体的に押し下げることで、被セットプレーのリスクも含めて防ぎたいです。

自陣でのブロック守備

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基本は5-3のブロックを形成します。この陣形を整えてから守備を行います。相手がサイドからボールを運ぶときはWBが詰め寄り4-4-2へと移行します。相手によりプレッシング強度が変わると思いますが、ヴァンフォーレ戦ではしっかりとブロックを固めて相手のミスを誘う守備スタイルに見えました。本当に守りたい時はFWも下がり5-4-1になることもあります。

最終ラインの高さは相手の攻め上がり方によってはペナルティエリアまで下がります。例えばスローイン→後方でサイドチェンジなどは前線のプレッシング意識が低いこともあり栃木をゴール前に押し込むことが可能です。

引いた際は、縦方向つまりMF-DF間が狭いです。DFラインの横方向も割とコンパクトで間は通させません。全体的には簡単には裏は通させないしクロスは絶対跳ね返すマンの意図があり、相手のミスを誘う守備の仕方だと感じました。

ゼルビアは素早い縦展開を狙うとともに、基本的な5バック対策であるSBやCHの攻め上がりを活用して誰がマークするか混乱させる攻撃を増やすと思います。

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ヴァンフォーレは後方でのサイドチェンジを活用し、3バックなのでCBですが攻め上がることにより中盤脇のスペースに簡単に侵入していました。

じゃあここからどうするの?と言う課題はありますが、ボールサイドに強いゼルビアは栃木のブロック守備に恐れることなくクロスや裏を狙いゴールに迫るはずです。そうすることでこちらのセットプレーが増えて、相手のセットプレーは減るでしょう。栃木のFW陣も守備に追われてカウンターを喰らう機会も減少することにも期待したいです。栃木の我慢勝負、セカンドボール勝負を上回れるか注目です。

守から攻の切り替え(ポジティブトランジション)

敵陣でボール奪取時

上述した通り前線のプレッシング開始位置が低かったり、組織的ではないので敵陣でボール奪取する機会が少ないです。

敵陣でボール奪取したときの大黒は言うまでもなく怖いですのでボールロストは避けたいです。西谷の二次攻撃も要注意です。

自陣でボール奪取時

主にヴァンフォーレ戦から分析していますが、栃木はあまりトランジションを意識するチームではないみたいです。まず相手から良い形でボールを奪う機会が少ないです。しっかり跳ね返して相手の攻撃を切る、そして隙あらばカウンターと言うイメージです。大黒様おなしゃすカウンターなどは当然ありますが、奪って素早く攻撃に転じることをベースとするチームではありません。

甲府も守備の際は引いてブロック形成を整えるチームのため、栃木はプレッシャーがかからないと分かるとGKへ戻して時間を作り全体を押し上げてロングボールを入れる展開が見られました。

ゼルビアはそこに付き合う筈はありません。隙あらばハイプレスを敢行します。栃木としてもそこは承知でしょうからゼルビア対策を兼ねた素早いポジトラを意識するでしょう。栃木としてはいつもと違う展開でのサッカーを強いられるのではないでしょうか。ゼルビアのサッカーをとくと味わっていただきましょう。

攻撃

自陣からのビルドアップ

栃木は攻撃時は基本的に3バックです。WBと中盤の選手の位置により様々な陣形に変化します。そして相手のプレッシャーの有無でいくつかの組み立て方があるみたいです。

ペチュニク起点パターンはGK含む後方からのロングパスや、WBへの寄せが早かった場合などで素早く縦へ展開してきます。そしてポストプレーから西谷や大黒に繋ぎ速攻を狙います。負けている時や終盤はロングボールが増えます。サイドに放ってくることもあります。

面白いなと思ったのは両サイドをワイドに使う組み立ても行えるという特徴を持つことでした。

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ビルドアップでサイドを変えた時などに2-3-2-3の様な陣形で相手エリアへの侵入を図ることもありました。どこからでも大黒にパスが供給される可能性がありますが、まだ使いこなせてはいません。

敵陣での組織的な攻撃

全体的にあまり相手陣内で組み立てる機会が多くありません。ミドルサードより先に侵入した場合はサイドに開いたペチュニクや中央の西谷に当てるか、大黒に出すと言う選択肢が優先され、ダメならサイドアタックと言うイメージです。大黒の一撃はゼルビアにとって本当に脅威です。

栃木はゼルビア対策でハイラインの裏を狙うでしょう。この様な失点を避けられるのかが勝負の分かれ道となるでしょう。

ちなみに敵陣での組み立ては課題があります。ヴァンフォーレ戦では自陣で時間を作り押し上げてGKからロングボールを放りますが、敵陣でセカンドボールを回収するもパスミスから失点しています。

裏を狙われないためにもプレッシャーは与え続けたいです。試合時の気温は24℃ほどとプレーに影響が出る高さです。スタミナがどこまで持つか気にする季節がやって来ましたね。

攻から守への切り替え(ネガティブトランジション)

即時に奪いに行くパターン

前方でロストした場合はそのプレーヤーが即時奪取を仕掛ける位です。奪われてはいけません。

リトリートするパターン

プレッシングを仕掛けられない場合にリトリートしますが、上述した通りプレッシング開始位置は低く緩いためドリブルやサイドチェンジなどをされると大体リトリートします。ゼルビアは臆することなく前へと進み、栃木を自陣に押し込みましょう。

まとめ

  • ゼルビアスタイルで我儘にハメたい
  • 第1プレッシャーラインの低さ緩さを有効的に利用しよう
  • 後方でのサイドチェンジも有効
  • SB誰がマークするの問題を投げかけよう
  • ハイラインの裏のケア必須!

栃木さんとは2012年以来の対戦となるため、現在のスタイルでの対戦は初めてです。お互いに自分たちのスタイルを出し合う展開になるのか、それともゼルビア対策を講じた状態でのゲームとなるのか。おそらく後者でしょうがそこから予想するのも楽しいですね。スタメン発表とゲームが始まるのを待ち遠しくしていましょう。

と言うわけで次回は栃木の餃子について分析したいと思います!🥟🥟🥟🥟🥟🥟🥟

 

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