2018 第2節 町田ゼルビア vs 大宮アルディージャ プレビュー2 ~守備分析~
J2第2節。町田ゼルビア×大宮アルディージャのプレビューの続きです。今回はアルディージャの守備の基本パターンについて、素人ですが「守備」「守備から攻撃への切り替え」の観点から分析したいと思います。
つまりゼルビア側からみれば、
- どう相手を掻い潜りゴールを狙うか?
- ボールを奪われた時どう動くか?
などの対策を考えます。
分析対象の試合が大宮×甲府(3バック)しか無いため、ちゃんとした分析にならないと思いますがやってみます。以下は直近試合のスタメンデータです。
大宮アルディージャ 2018マッチレポート | 2月25日 vs 甲府 | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
第2節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。
1.トピック 2.守備分析 3.攻撃分析 4.セットプレー分析 マッチレビュー
守備
前線のプレッシング
プレッシングのスタート位置
ホームゲームというのもあってか立ち上がりは超攻撃的なプレッシングを仕掛ける場面が多かったです。敵陣の約20m付近からプレッシングスタートします。また相手が後方でゆっくりボール回しを行うのであれば、ペナルティエリア近くでも積極的に中盤も含めてプレスを仕掛けます。
8分に得点したからか15分を過ぎたからか、それ以降は30m付近からスタートして、ハーフウェイラインにMFが並ぶ形が多かったように思えます。
追い込みパターン
そして相手DFをサイドに追い込みボール奪取、あるいは縦パスを出させてSH、CH、SBで囲みボールを奪います。相手CBが中央へ斜めのパスを送る場合はもう一人のCHが奪取を図ります。
プレッシングスイッチ
プレッシングのスイッチはFWの仕掛けです。特にシモヴィッチがツートップの位置をコントロールし中盤との距離間を適切に保ちます。
プレッシングの狙い
直接ボールを奪う事だけでなく、サイドに誘導してショートカウンターを狙う目的が有ります。
ゼルビアはプレッシングをどう外すか?
前半15分位まではゼルビアがボールキープし続けるのは困難かもしれませんが、元々パス成功率が低いゼルビアは御構いなしと前線にボールを運び五分五分な状況を作り、ボールを奪い合う我慢勝負に持ち込むのが最善策でしょう。(本当はGK含めてポゼッションし逆サイドに展開して数的優位を生み出したいです。)
アルディージャのプレッシング位置が低くなったらDFからアルディージャのSBの裏などのスペースを突く展開を図るはずです。
自陣でのブロック守備
基本陣形
引いて守るときも4-4-2を敷きます。自陣のペナルティエリア付近でボールを持たれてもSHは基本的には最終ラインに下がりません。サイド突破されペナ侵入されたときに逆側のSHが最終ラインに入る動きを行うだけです。
最終ラインの高さ
プレスを仕掛けられない場合は、相手のボール位置に合わせ緩やかに後退します。後退が完了したらペナルティエリアの手前でブロックを形成します。傾向としては前後半ともに20分頃からそのような展開が多くなります。
縦横方向のコンパクトネス
ペナルティエリアの手前でブロックを形成したときは縦方向がコンパクトです。つまりDFとMF間がほとんどない状態で2ラインを保とうとします。
横方向は4-4-2で割と見られる逆サイドの大外スペースを捨てるくらいの圧縮を図ります。従って3バックシステムの相手の場合、逆サイドのWBはフリーとなります。当然アルディージャはサイドチェンジさせない守備をしてきます。
前半は2ラインがコンパクトですが、疲れが目立つとSHの戻りが遅くなり良い距離感を保てなくなります。
守備の基準点
アルディージャが引いて守る際は以下のタイミングでゾーンディフェンスからゾーン内のマンマークに切り替える事が多い印象でした。
- ゴール前25m付近
- 相手がドリブルやキープを図った場合
この状況でSBがボールを奪取すると言うのは少なかったですが相手を押し戻す仕事は出来ていたと思います。CBのマンマークは強いです。
DFラインの特徴
ヴァンフォーレがあまり裏のスペースを狙わない(アルディージャがさせなかった)ためイマイチ把握できませんが、裏狙いのパスの読み対応は早そうです。その際にラインは後退します。スタミナ消耗時に少しラインの乱れは有りました。
またペナルティエリア手前での守備では中央付近は積極的にボールを奪いに来ますが、MFのブロック形成が出来ていない場合の大外からの攻撃は割とラインを下げやすいです。
SBはマンマークするルールに従いゾーン侵入した相手にはラインを崩して飛び出す傾向にあります。
ゼルビアが突くべき守備の弱点
お互い4-4-2のためアルディージャは誰をマークするか把握しやすいですが、果たしてゼルビアの横方向のコンパクトにどこまで対応できるか未知数です。アルディージャを自陣に押し込むことが出来たならば、サイドから突破する形から逆サイドのMFがゴールを狙える可能性があるのではないでしょうか。
またSHは縦突破を試みDFラインを後退させつつペナルティエリア手前までカットインするとスペースが生まれる可能性がありそうです。アルディージャに疲れが出てきたらSHとSBの距離が開きやすいのでサイドから前進しDFラインの裏スペースを狙いたいです。
守から攻への切り替え(ポジティブトランジション)
レビュー | 明治安田J2 第1節 甲府戦 #大宮_甲府 | 大宮アルディージャ公式サイト
敵陣でボール奪取時
ゴールの目指し方
アルディージャがハイプレスを仕掛けて敵陣でボールを奪取するのはほとんどがMFです。どの選手も縦の推進力を持ち合わせているため、基本的には奪取直後にドリブルをする事で数的優位を生み出そうとします。またシモヴィッチという絶対的なポストプレイヤーとパス交換してゴールチャンスを作り出します。
ゼルビアの対策
まず相手がドリブルファーストであることを把握しておく必要があります。ファウル覚悟のプレーで止めることを第一に考えてしまうと警告をもらい過ぎるでしょう。後退しながらサイドに追いやるのが理想的です。
自陣でボール奪取時
奪取後のパターン
ボールを奪取した位置と状況によりますが、ポゼッションを確立するよりは、2本くらいのパスで前方のスペースに向かい縦にボールを運ぶ意識が強いです。
パスを受け取るプレーヤー
ほとんどがシモヴィッチかマテウスです。自陣で守ってもDFラインに入らないので、ボール奪取後にスペースへ移動し攻撃の起点となります。横谷と清水はこの2人に比べるとスペース移動とキープ力が見劣りし、ボールを縦に運ぶ成功率が低く感じました。
ゼルビアの対策
相手の反撃を受けずに攻撃の回数を増やすには、マテウスへのパス供給を減らすのが効果的だと思います。従ってゼルビアから見て左サイドからの攻撃を意識すべきです。
シモヴィッチが左に流れてロングパスを受けた際に、ゼルビアのCBがきっちりと対応できれば再びボールを回収できるでしょう。シモヴィッチは空中戦の能力がずば抜けている訳ではないので、跳ね返すことも出来るはずです。
まとめ
- 開始直後のハイプレスには要注意
- 臆することなくサイドから前進しプレッシングを掻い潜ろう
- ゼルビアの横圧縮が攻撃面で活きるか未知数。迷ったら行け!
- アルディージャもいずれ間延びする
- 自陣でボールを奪われたらリトリート優先
- 左サイドからの攻撃がゼルビアを優位にするかも
以上がアルディージャの守備パターン分析です。結論的にはゼルビアは今までのやり方とあまり変わりませんね(笑)しかしアルディージャの各選手の能力は高いので、気を抜くと全く歯が立たない状況になりかねません。
まあ僕の素人分析は的外れかもしれませんが、アルディージャの守備パターンをインプットしながらゼルビアの攻撃を見ると一層楽しめると思いますよ。次回はアルディージャの攻撃を分析してみます。ではまた。