町田ゼルビア 2-1 愛媛FC ネガトラの反省と勝利への執念 (2018 第17節)
フォトギャラリー:明治安田生命J2リーグ第17節『明治安田生命町田支社マッチデー』vs愛媛FC | FC町田ゼルビア オフィシャルサイト
2018 J2第17節。町田ゼルビア×愛媛FCの試合は2-1でゼルビアが勝利しました!今年2度目の逆転勝利。ホームでの逆転勝利に限れば2016年の第37節岐阜さん(もう岐阜はさん付けすべきとみぎさんが言ってた)以来の様です。ヴェルディ戦もそうでしたが良いものを見せてもらいました(^^)
第17節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。
大谷のCB起用
ゼルビアは相手がどう来ようとも4-4-2です。前節負傷したCB酒井の位置には大谷を配置し、右SBには小島を起用してきました。この2人の起用の意図を相馬監督はコメントしています。
前線のターゲットにある程度ボールを入れてくるだろう、そして我々の背後へのボールも出てくるだろうという予想の中で、ナオキ(大谷尚輝)にはクサビのボールに対して強くアプローチに行くことを期待していました。
その結果、スライドした形で小島には右サイドに入ってもらいました。最後に足をつってしまったことも含めて、緊張もあったのかもしれません。トレーニングマッチでは3バックの相手が少なかったことも影響したのか、今日の試合ではスライドやマーキングの遅さが見えていました。彼なりの反省点はあるでしょうが、今日の試合では前向きなトライをしてもらえたと思っていますし、攻撃参加に関しては積極的にしっかりとできていたと思います
大谷のCBとしての能力と小島のスピードと総合的な部分に期待していた様です。
左SHには杉森を配置して相手を押し込むことを狙いました。サブには土岐田が戻ってきたしハンジェも調子が上がってきた様です。これは天皇杯を戦う上でも大きいと思いますがまずはこの試合に集中です。
なお酒井選手については怪我の発表がないため軽傷と予想されます。スタジアムの入り口に向かう途中に見かけたので頑張れと声をかけたところ笑顔で返事してくれました。
一方の愛媛FCはシステムは3-4-2-1を継続させていますが人の配置に変更がありました。左側のCBに従来は左WBの前野を配置しています。その左WBには丹羽を、丹羽がいたOHには今シーズン初先発となる近藤を配置してきました。
ゼルビアの4-4-2に対して状況に応じて愛媛も前野を左SB、小池を右SBとする4-4-2へと移行できる様なメンバーであり、どの様な形でゼルビアに挑んでくるのか気になります。
いやこの日も暑かった。試合は16時キックオフですが日陰に入らないとしんどい。僕のタオルマフラーはスタジアムへ向かう際から前半はタオル役に徹し我慢勝負します。愛媛も試合開始直後はゼルビアの様子を伺う我慢勝負をしてきました。
ハメた様でハメられなかったゼルビア
試合は立ち上がりからゼルビアの両SHに注目が集まる展開です。左サイドを重視するゼルビアは杉森がボールを持てるため、愛媛をゴール前まで押し込むことが出来ていました。左サイドから攻めて吉濱が中に入り込んで決定的な場面をいくつか作るもゴールを割ることは出来ません。
一方の愛媛は相手に押し込まれるのは慣れていると言わんばかりに試合を運びます。アイソレーションでサイドチェンジを狙い、後方からの組み立てではゼルビアのプレッシャーがかかる前に西岡や前野を起点にロングボールで裏を狙い、オーソドックスなゼルビア対策を仕掛けます。ゼルビアとしてはピンチになりかねませんが、これを跳ね返せばこちらとしてもチャンスが作れるのでおっくん頼むぜ!と思い試合を見守っていました。
その様な展開が続くため縦の圧縮が出来ずハイプレスでハメることがません。ゼルビアが攻めつつもゴールを決められない嫌な流れ。そして前半36分、愛媛の素早いポジトラからのサイドチェンジをゼルビアが抑える事が出来ずに西田のシュートをブロックした大谷のハンドを取られてPKを決められて失点します。
ハイライト動画はハンドの場面からですね。その前の展開でゼルビアの守備にいくつものエラーがあります。
GK岡本が浮き玉をキャッチし素早く前野に渡すシーンからスタート。右SHの吉濱が攻め上がっていたのでゼルビアは空いたスペースをカバーしなければなりません。
従って残りの中盤が右にスライドしつつリトリートします。前野は当然の様にサイドチェンジ
エラーその1 おっくんが飛び出す
サイドチェンジで愛媛得意の5トップに近い状況となる。WB小池にボールが渡り、焦った奥山が自分のゾーンと思いプレッシング。DFラインは奥山の裏のスペースをカバーする必要があり大幅なサイド移動を強いられる。ここは奥山は行く素ぶりを見せつつ後退し杉森に任せるべき。我慢出来ないのがゼルビアの欠点。
エラー2 孝司のネガトラサボり
致命的なエラー。吉濱が高い位置にいて中盤がスライドしたのだからこの場面は逆サイドのFWが空いてしまう箇所を埋めなければならないが孝司にその守備意識は無い。そこをCB山崎が狙いフリーで受ける。ハーフスペースは中盤にも存在する。そこから本来は奥山が守るべき丹羽にパスを出させる。
エラー3 おっくん空気となる
深津が釣り出された状況なのでここで止めるしかない!おっくん挽回のチャンス!2人で囲い込め!…の祈りも虚しくここまで来て深津の後ろをカバーするおっくん。一体何のカバーなのか?ゼルビアにとってこの状況はまだまだ緊急事態ではないのか?
おっくんは既読スルーされ、孝司は未だ全力で戻らず…。空いた中央のスペースに侵入したCB山崎が再びフリーでボールを受け取り
最後の希望 裕大がお通り下さい的に交わされて
FW西田にボールが渡り中央にカットインしてシュート。察知した大谷がシュートコースをカバーするも
惜しくもハンド。主審めっちゃ見とる(;´д`)
サイドチェンジから度重なるエラーで人数がいる様でいない守備をしてしまいました。ここをきっちりと抑えられる様にならなければJ1は夢幻の如くでしょう。
また現代サッカーにおけるネガティブトランジションの重要性は肌身で感じたのではないでしょうか。攻撃を好む選手ほど軽視しがちとなるのですが、素早く目まぐるしい攻守の切り替えが多い現代サッカーにおいて、ネガトラを怠ったら負けに繋がります。サボるのであれば吉祥寺に出没したウタカにオファーを出してネガトラしなくて良いからゴール決めまくってくださいと言うサッカー路線に変更じゃ~!愛媛の攻撃は素晴らしいものであり教訓となりました。
林堂不在が響く愛媛に逆転勝利
前半の嫌な時間で失点するもパワーダウンはさほど感じません。今まで通りの攻め方を継続するゼルビアですが、愛媛の山崎が若さゆえか不用意なファウルをしてしまい、そのセットプレーから大天使裕希さんが押し込み同点に追いつきます。
これ杉森のアシストになるのかな?愛媛は焦るとセカンドボールを意識したポジショニングが出来なくなるのですかね。やはりトリック系のセットプレーは有効でした。ナイスゴール!前半の内に追い付いたのは大きかったですね。
後半は両チームとも仕切り直し。ゼルビアはハイプレスで愛媛をハメる時間帯を作る事ができ、愛媛は最後の局面で耐えつつカウンターを仕掛ける展開が増え見応えのある攻防を繰り返します。
ゼルビアは60分に吉濱→土居の交代。土居はプロデビューとなります。この時間からゼルビアの強度は落ちます。特に小島の疲労が目立ち愛媛のWBへの対応が遅れ始めます。75分に杉森→平戸の交代。精度の高いクロスに全てを託します。ゼルビアは懸命に走り続けます。80分には深津も足を攣りましたが、相手の攻撃を跳ね返し続けます。
深津の勝利への執念はゼルビアに大きなチャンスをもたらします。
土居が倒されて得たFKで大外にいた深津が山崎に倒されてPKをゲット。これを孝司が決めて逆転に成功します。山崎は良くも悪くも若いDFでした。そして林堂の不在の影響は大きいものでした。
その後は小島が足を攣り、その際に深津がどの様に試合をクローズさせるか全員で意識を統一させ、小島→藤井(大谷がSBに移動)の交代。FWのプレッシングと後方の4-4ブロックで最後まで守りきり鹿島るゼルビアが2-1で勝利します。
新たな風がゼルビアを前進させる
今節は何とか逆転勝利できました。愛媛戦に出場した3人のゼルビア新加入選手の評価について少し書きたいと思います。
pick up 杉森考起
フォトギャラリー:明治安田生命J2リーグ第17節『明治安田生命町田支社マッチデー』vs愛媛FC | FC町田ゼルビア オフィシャルサイト
ドリブルで相手を押し込みチャンスを作る役割をこなして愛媛を押し込むことに貢献しました。愛媛は栃木ほど球際が激しいチームではないので良いプレーが沢山見ることが出来ました。ハードワークの中でのファーストタッチやボール奪取など着実に伸びていますね。
この日はグランパスの小西社長が来場して自由席で観戦していたらしく、序盤に杉森のクロスを吉濱が決めて入れば、シーズン途中でのレンタルバックという話が出ていたかも。
杉森がスタメン出場すると個人で左サイドから押し上げてくれるので、周りの選手のスタミナ減少を抑えられるのが地味に大きいです。アシストが付くか不明ですがスタメン起用は正解でした。
pick up 小島雅也
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酒井が負傷した影響で久しぶりのスタメン出場のチャンスが訪れました。純粋なSBらしく攻守をそつなくこなしていましたが60分辺りから強度が下がり攻め込まれるシーンが増えました。それでも相手に食らいついて失点を阻止します。足が攣るまで走り愛媛の攻撃を抑えることに貢献しました。
夏場を乗り越える体力があるか注目したいところです。
pick up 土居柊太
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30分ほど出場しましたが、目立つ活躍が出来ず本人は苦いデビュー戦になったかも知れません。疲労のある小島との守備の連係は出来ておらず、攻撃面でも特徴を発揮出来ず持ち味が何なのか分からなかったです。天皇杯では再びチャンスが訪れるでしょうか。今後どこまで成長するか見守りたいです。
今年のゼルビアはポテンシャルの高い若手が多く、勝利とともに成長する姿を見届けることが出来て楽しいですね。この調子で若手をどんどん成長させてゼルビアに新たな風を起こしてもらい、上の順位に押し上げてもらいましょう。愛媛も苦しい状況が続きそうですが何とか頑張って欲しいです。また良い試合をしましょう!
選手・スタッフの皆さん。ファン・サポーターの皆さん。今節もお疲れ様でした。お次のゲームは天皇杯のファジアーノ戦。そしてアウェイでの徳島ヴォルティス戦です。天皇杯はハイライト動画のアップが遅いのでどこかのトピックで簡単に書くと思います。このブログではサッカーを戦術目線で見る方にとって注目のヴォルティスの情報収集に集中すると思います!今回はここまで。次のプレビューでお会いしましょう⭐️それでは‼️
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