町田ゼルビア 3-2 大分トリニータ 忘れる事のないベストゲーム 一戦必勝で優勝を目指そう 〜SPLYZA試用開始〜 (2018 第37節)
フォトギャラリー:明治安田生命J2リーグ第37節『第2回高知よさこいマッチデー』vs大分トリニータ | FC町田ゼルビア オフィシャルサイト
2018 J2第37節。町田ゼルビア×大分トリニータの試合は3-2でゼルビアが逆転勝利を収めました!前半の出来では正直厳しそうだと思いながら観ていましたが、まさか後半の修正であそこまで変わるとは…!すごいぜ相馬監督!!
ハイレベルな中、ゼルビアが戦略で後半を覆す試合は今まで皆無に等しいと思う。僕のゼルビア観戦歴で間違いなくベストゲームであり、この衝撃は一生忘れないだろう。
今節もプレビュー記事はお休みさせてもらいました。前回対戦時の記事がありますので、大分戦を振り返りたい方は合わせてお読みください。
SBとCHをパズルで乗り切るゼルビア
基本布陣は予想通り4-4-2 vs 3-4-2-1。ゼルビアはSBとCHを入れ替えてきました。SBは大谷の警告累積による欠場に加え奥山がトレーニング中の負傷という事で欠場。右に小島、左にオールラウンダー土岐田を配置。CHは森村の欠場が続き、平戸とロメロの組み合わせ。右SHに土居がスタメン復帰。リザーブにはドリアンが戻ってきています。怪我人が多い中で何とか選手のパズルでやりくりしている状況です。
一方のトリニータは左側にOH馬場賢治+WB星雄次、右側にOH小手川+WB松本を配置。CF伊佐も含めて攻撃的なメンバーが揃っており首位に立つだけあるチームであることを見せつけています。
この試合は注目の一戦であるためサッカー関係者のゲストも多くご来場しました。その一人である平ちゃんのサイン会に参加し、今回はベガルタ仙台の素晴らしい分析ブログを手がけ、ゼルビアにも注目してくれているりゅうさんと一緒に観戦。ビールとコンフィを持ちながらあーだこーだ言い楽しみました。
明らかに変わった後半の修正
「どうすれば勝てるか分からん…ッ!」
トリニータに完全に崩され、ゼルビアはセットプレーで何とか喰らい付く前半。2-2で迎えたハーフタイムに思った僕の感想でした。しかしりゅうさんは言う。
「確かに厳しいが大分は理想的な得点を決めたにも関わらず勝ち越せていない。これは厳しいはずだ」
なるほど、そう言う考え方もあるのか…。当たり前だが、ゼルビアを主観的に見る僕にとっては目から鱗であり、少し平静を取り戻しました。
た「また馬場だ…前回も右からの攻撃から左側の馬場にやられたんや…(2分で)」
り「左WB星雄次もフィニッシャーのイメージ」
なんて事を話していたら、後半2人であっあっ!となりました。相馬監督の策略によりゼルビアの守備が修正。少しラインを下げ大分の左サイドに対するマークを星には土居、馬場には小島と明確にして大分の攻撃を(ギリ)封じ込めます。
そして60分辺りにはゼルビアのチャンス。CKから孝司のシュートはネットを揺らすもハンドの判定。
り「ハンド?惜しい…ッ!」
た「ここや!この時間帯で取るしかないッ!」
と言っていたらロメロが直後の連続スローインで決勝点。
よっしゃぁぁぁ!りゅうよ!タオルマフラーを回せぃぃぃ!!!
3点目のスローインのゴールは、いつもならロメロの位置にいるのは左利きの森村であり、ターンするなら時計回り。しかしロメロは右利きであるためゴールを狙う反時計回りのターンと素早いシュート。ロメロならではのゴールでした。
試合はハラハラしながらもクローズするための交替を行なったゼルビアが勝利しました。実に見事な相馬監督の後半の立て直し。トリニータ戦は僕が詳しく書かなくても、既にりゅうさんが詳細を書いてくれているので、僕が説明しなくても良いのだ。くっくっく…( ͡° ͜ʖ ͡°)
ゼルサポ必見なのでご覧ください。
さらにトリニータの素晴らしい分析ブログを書くにしださんもゼルビア戦を書き上げていますので、トリニータ視点の内容をご覧ください。
2人ともアウトプット早いぜ!!(;´д`)
SPLYZA Teams によるゼルビア分析開始
動画共有アプリ「SPLYZA Teams」
と言うわけで僕の出番は無し!それでは皆さんスタジアムでお会いしましょう⭐️
では無くて少し新しい事を始めたので紹介させてほしい。「SPLYZA Teams」と言う動画共有アプリを使って皆んなで分析するトライアルチームに参加しています。
SPLYZA Teams - チーム全員で勝つ - SPLYZA Teams スプライザ チーム 動画を最大限に活用するスポーツチームSNS
発起人はこれまた仙台を中心に見事な分析を行うfukuharaさん。
splyza teamを使ってみたい方、
— fukuhara (@fmanmajk) 2018年10月11日
トライアル登録をしてみたので、一緒に遊んでみませんか?
どのチームを応援していても、分析をしたことがなくても、
僕と話したことがなくても全く気にしないので
使ってみたいという方、声をかけて頂けると嬉しいです!
上限人数知らないので超えたらごめんなさい! pic.twitter.com/NvlGngSidG
※トライアル中は人数上限無いようです。興味ある方は管理人fukuharaさんに取り次ぎますのでTwitterにご連絡を。
SPLYZAはアップした動画を共有して、皆んなでポイントや課題を発見し「タグ付け」(分析する項目)を洗い出すアプリ。このタグ🏷を使ってその項目だけ絞り込んで見たり、統計データを取れる訳です。
ゼルビアがサイバーエージェントの子会社となった以上、サポーターも率先してITを活用すべき(笑)
今回は分析クラスタさん何人かで試行錯誤してタグを付けて統計データを出してみました。結論を言うとまだまだ面白いデータを取れていないのだけど、レポートとして残すのでご覧いただきたい。
分析データ紹介
以下ゼルビア側を主観としたタグ付けの統計データです。皆で付けると少しバラバラになるのだが、色々な考えが見れるためそれはそれで楽しい。
前半
今回は一番大きな枠として攻撃と守備と言う局面毎にタグを付けている。前半の皆で付けた攻撃タグは61個、守備タグは70個。トリニータの方が押し込んでいたのはここからも分かります。
以下は攻撃の内訳。(その内ポジトラは21個)
左の局面終了はどんな形で攻撃・守備が終わったかを表す。サッカーでは当然ロストが多い。タグ付けにまだまだ課題がある。右のセットプレーはスローインも含めている。ゼルビアらしさが表れていると思う。
こちらの左は攻撃エリアの統計。ミドルから敵陣付近での攻撃は計50個近く。前へ進むゲームモデルは表れていると言えるのではないか。右はどのサイドから攻めたかを表す。守備からの切り替えも絡むが、土居と小島のいる右の大外から攻め込むの事が多かった。
その他のデータをいくつか。パスはポイントになりそうなものをピックアップしている。フィード系は総パス数の割には多いかもしれないが、数自体は普通な気がする。右は気になる局所的な戦術シーンの統計だが、素人なので見えていない部分は多々ある。しかしオーバーロード(片側圧縮)による攻撃はやはり多い。
フィード系のパス数が普通である事、オーバーロードアタックが多い事。ゼルビアがただのロングボールを放り込むチームではない事は示すことが出来ているかも知れない。
続いて守備の内訳(その内ネガトラは16個)。ちょっとタグ付け難しかったです…。
局面終了は当然奪取が多い。この項目は統計では不要かもしれません。被セットプレーでもスローインが多い。サイドでの攻防が多かったり、福井のキック精度はここに表れる。
次はどの位置で守備することが多かったかを表すデータ。前からプレスを掛けるのがゼルビアらしさ。5割近くは果敢にアタックしていた。
レーンは左右の大外からの攻撃がやはり目立つ。馬場のいる右ハーフスペースを突く攻撃も多いはずですが、図で解説するためのタグに埋もれて統計に入っていないかもしれない。タグの付け方はここも課題だがきっと良くなるでしょう。トリニータの攻撃については後でもう少し書きます。
トリニータのその他のデータ。フィード系の回数はゼルビアとほぼ同じ。しかしバックパスやサイドチェンジも多く、素早い攻撃も含めて前半の攻撃は本当に怖かった。「パラレラ」を始めとするフットサルで見られる局所戦術も多数見られました。実に洗練されたチームでした。パラレラについてはコチラを。
後半
データを取るには局面ごとにしっかり見てタグ付けをしなければならないので結構大変です。後半は簡単に。
まずは攻撃。54個(その内17個がポジトラ)を確認。
全てにタグを付けていないですが、後半もゼルビアらしい前へ、サイドへは多く見ることができました。
続いて守備は59個(その内ネガトラ12個)
前半同様に多彩な攻撃を見せていますが、ゼルビアの左ハーフスペースを突かれる攻撃は少なかったみたいです。
トリニータから見て右サイドからチャンスを作り左のハーフスペースでフィニッシュする形は得意だが、その反対、左サイドからチャンスを作り右ハーフスペースでフィニッシュする形は課題であり、相馬監督の後半の修正で露呈したと言えるのではないでしょうか。
今回のタグ付け統計データからは以上の様な考察が出来ると思います。今後は更に面白いデータが取れる様に頑張ります。
キーポイント① 大分の両サイド
試合のキーポイントをSPLYZAを使いながらいくつか。まずは大分の両サイドについて。
前半
— りゅう@ジャメイケおじさん (@ryu___) 2018年10月15日
町田が困ったのはこれ。442で守るときに
325に近い形になる大分が最終ラインに対して数的有利を作っていた。
例は小島だが、逆サイドもこの状態になっていた。
1失点目は土岐田が松本と小手川の2枚みないといけなくて小手川を離してしまった気がします。 pic.twitter.com/8zamjlKLJw
前半は上の図の様にトリニータが数的優位を生み出してゼルビアはピンチを招いていました。これをSPLYZAを使ってfukuharaさんがポイントを解説。このアプリの1番の強みである使い方です。
大分の4-4-2を崩す配置的プレー(ポジショナルプレー)
— fukuhara (@fmanmajk) 2018年10月17日
WBが幅をとって大外に釣り出す、選手間に入ってピン止めする
そして空いたスペースを使う動き
結果はついてこなかったものの、とても面白い試合でした#大分トリニータ #trinita #FC町田ゼルビア #zelvia pic.twitter.com/qXyyn7NUAH
この様なポイントが前半に20個もありました。何とか追い付きましたが、後半も続くものと思っていました。
後半町田の修正はこれ。
— りゅう@ジャメイケおじさん (@ryu___) 2018年10月15日
小島は馬場とマンツーマン。
星にボール入ったら土居走れ。戻れ。
すると星にパスコースが無いのです。 pic.twitter.com/q8Au1VYlI2
しかし後半は上の図の通り馬場と星のマークが明確になりピンチを防ぎました。その様なシーンが7箇所ほど見られました。
見たいシーンをタグの絞り込みですぐに見ることが出来るのは強力な機能だと思います!
キーポイント② 町田のスローイン
今回は首位攻防戦であり注目された試合でした。ベガルタ分析チームから見てゼルビアのスローインは評判でした。
町田ゼルビア、前半のスローインまとめ
— fukuhara (@fmanmajk) 2018年10月18日
前進するパターン、エリア侵入を狙うパターン#大分トリニータ #trinita #FC町田ゼルビア #zelvia pic.twitter.com/cxU9UZILyu
ゼルビアのワンサイドアタックはボールをロストしてもスローインの攻防で再び自分たちのボールにして攻撃を繰り返す攻防一体のゲームモデルです。SPLYZAを使えば、ゼルビアのスローイン設計がどんどん解明されるでしょう。
キーポイント③ 強度を維持する町田
公式サイトの試合後コメントにもある様に、ゼルビアは足をつる選手は出ましたが長い時間、高い強度を保てていました。強い気持ちに依るところもあると思いますが、僕は1つの仮説を立てています。
それは今回は空中戦での陣取り合戦が少なかった事。ヘディングでポンポンやり合うのは見た目以上にパワーを消耗するのだと考えています。統計を取ってみたら前半は僕がそうだと思うのは1回しかありませんでした。走らされる事が多いのに強度低下が緩やかなのと因果関係が有るのではないでしょうか。今後も注目したい所です。
(10/21追記)
fukuharaさんもSPLYZAを利用した記事を書いてくれたのでご覧ください。この方がマッチレビューを書くなんて本人二度とないって言っているほどの激レア事象なので絶対に見てくれよな!!
おわりに
この様な形でSPLYZAを活用してみました。始めたばかりで当然使いこなせていませんが、トライアル部屋に大分戦を置いてもらえたので、タグの精度を高めて完成版をシーズンオフ中に改めて記事にしようと思います。またこのトライアル部屋はフットサルに詳しい方が何人も入っていて、フットサルとサッカーの融合を加速する流れも出来始めています。今後、局所戦術なども詳しく解説出来ればなと思います!
またSPLYZAを使い皆んなで町田ゼルビア分析したり見学出来るサークルを作りたいと考えています。アプリは毎月ライセンス料が必要なため有料となると思いますが、お一人500円/月程度に抑えられれば運用しますので、入りたいぞ!と言う方はどしどしお待ちしております。連絡くれる方が多ければその分早く開始できると思います。
その前にまずはゼルビアの一戦必勝を応援し、選手からも発する様になった優勝を目指しましょう!
選手・スタッフの皆さん。ファン・サポーターの皆さん。今節もお疲れ様でした。今回はここまで。レノファ戦マッチレビューでお会いしましょう⭐️それでは‼️
※試合動画はDAZN、YouTubeのゼルビア公式ハイライトより引用しています
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