TanaLifeの町田ゼルビアブログ

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ツエーゲン金沢 6-1 町田ゼルビア (2019 第4節)

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今回の相手はツエーゲン金沢

ゼルビア戦士はファイトを見せますが裏目に出てしまいツエーゲンの術中にハマってしまいました。

ツエーゲンが仕込んできた対策に機能不全となり惨敗。何が起きたのかと言うよりは、チームが変化した事により昨年も潜在していた弱点が露呈したのだと思います。強化部が危機感しかないと言っていたことが現実となった試合でした。

このゲームは過去のものとして前を向き一層の応援を心がけるのが正しい姿かもしれません。しかし僕たちゼルビアアナライジングサポーター(ZAS)はこんな時こそ選手にはゲームを振り返ってほしいと願っています。メンバーの方も悔しさを跳ね除けて分析ツール「SPLYZA Teams」を使い試合映像のタグ付けや分析をしてくれています。(Y.S.C.Cも導入しましたね)

どうかこの声がゼルビアに届いてほしい。また一緒に分析してくれる方、サポートしてくれる方が増えてほしい。本当の意味で一丸となり、皆んなでこの苦境を乗り越えて行きましょう。

スタメンと相手選手の利き足情報です。

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ゼルビア [4-4-2]

モンテディオ戦から3人変更。奥山→下坂は突破力を活かす狙い。ロメロは相手のプレスを交わしボールを前へ運ぶ役割。そして土居の負傷で似たイメージがある攻撃オールラウンダーの岡田を起用。左SHに岡田、右SHに山内を配置。メンバーが入れ替わる中で組織的なチーム連携が持続できるか注目でした。

ツエーゲン [4-4-2]

長身FWクルーニーを先発起用。ブレイクの気配がある小松蓮とのコンビが未知すぎる怖い。ポイントは前線に左利きの選手を揃えてきたこと。試合前、特に気になっていたのがSH清原翔平をどちらのサイドに配置するのか。

①従来の右か、②沼田と絡めてワイドな攻めを意識して左か。答えは②で、試合の大きなポイントの1つになったと思います。モンテディオ戦も感じましたが、ゼルビアはもしかしたら左サイドに左利きの選手を揃えるだけで攻略できるかもしれません。(山形の左サイドはSH山田だけ右利きでした)

互いに[4-4-2] でありハイプレスを仕掛けるチーム同士ですが、攻守に渡り超横圧縮のゼルビアに対して、ツエーゲンは守備は狭く攻撃はワイドの4-4-2の王道を追い求めるチーム。真にアトレティコ・マドリーを目指すチームとも言えるでしょう。

ZASレポート

ゼルビアアナライジングサポーターではゼルビアの分析チームが手の回らないであろう選手のプレイリストを用意することを基本方針とし、映像にタグを付けています。

その1つが局面タグ。サッカーを分析する上で局面で区切るのが流行していて基本的なものと捉えています。

データとしては有効性は薄いと思いますが、せっかくあるのでSPLYZA Teamsの集計機能を使い局面推移の割合を毎試合出しています。

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前半で目立つのはポジトラの割合がいつもより高いのに対して攻撃の割合が伸びていない点と、こちらのセットプレー割合が少ない点です。攻撃に転じた場面が少なかったと言えるでしょう。

後半はツエーゲンのセットプレー割合も減少し攻守の割合が増えています。早々に3失点目を喫してドリアン・戸高を投入しキープから攻撃に転じる割合が増える一方で、攻撃は摘み取られて被カウンターを浴びる展開も多かったと言えるでしょう。

 

もう一つの選手タグは、ZASメンバーの方に選手に見てほしいシーンにチャプターするイメージのタグ付けです。局面タグもそうですが、タグで絞り込むことで映像の振り返りを効率よく出来るようになります。

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お一人なのに約450個の選手タグを付けていただきました。結構な労力です。惨敗の映像なので見るのも辛かったはずです。まずはありがとうございますと伝えさせてください。

奥山・岡田or大谷選手のタグ付けがメインです。今回は下坂選手がスタメンなので付けてくださいました。

 

こういうことならサポーターでも人海戦術で可能である言うことを僕たちは証明しています。そしてより良い振り返り環境を整えるためにZASのメンバーを随時募集しています。

またSPLYZA Teamsのサービスプランを拡大すれば、多くのアカウントを保持できるので多くの選手に振り返り環境を提供することが出来ます。分析は出来ないけど映像は見たい方向けに、その資金を支援してくださるサポーターも募集しています。(毎月牛丼1杯奢るくらいのご支援です)

選手は前へ進むのみ、サポーターは応援あるのみと言うのをツールを使い新しい共闘の仕組みを一緒に作りましょう!

ゼルビア機能不全の背景

ゼルビア機能不全の理由を探る前に根本的な背景部分を考察すると、鈴木孝司、平戸太貴の放出は避けられません。

平戸太貴 セットプレー

平戸については言うまでもなく昨年の得点源であったセットプレーが失われたことが大きいです。シーズン開幕前に投稿した注目ポイントでまずセットプレー以外の得点源を確保するべきだと述べました。

しかし見逃せなさそうな点として、今シーズンは相手GKがキャッチしこちらは後退する場面が増えているかもしれません。被カウンターは避ける必要があります。

鈴木孝司 前線でのボールキープ

孝司の影響は前線のボールキープに大きく出ていそうです。まずロングボールの受け方。孝司は相手に上手く跳ね返させないことを重視していてセカンドボール回収がし易かったと仮定しています。今シーズンは(もしくは孝司の非更新が決まりスタメン起用されない時から?)跳ね返されたボールが相手の前線に渡る場面が増えているのではないでしょうか。

その他にもワンサイドアタック等味方が押し上がるまでタメを作ることも孝司の特徴でした。それらが無くなり相手との陣取り合戦に影響が出ていると思います。つまり押される機会が増えています。

孝司不在の課題はドリアンがチームに適応すれば良いのですが、守備面(特にカバーシャドウ)に課題があるのかスタメンを掴みとれません。

 

過去についてはここまでにします。居ない選手を惜しんでも時は戻りません。陣取り合戦への影響は誤算でしたが、今シーズンは上記を踏まえて勝ち抜く回答を持ち合わせなければなりません。しかし現状はそれが無く手探り状態でシーズンインしてしまいました。

そして開幕ヴェルディ戦の勝利、強敵レイソルとの接戦とボール保持型がメインのチームには健闘しますが、非保持型がメインと言えるモンテディオツエーゲン相手には機能不全を露呈してしまいます。

以下でゼルビアが機能不全となった理由を考察します。違和感あれば選手でも誰でも良いので声を上げてほしいです。

ゼルビア機能不全の理由① 守備

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①ボールに行ってしまう

守備あるあるです。自身の役割や配置を無視したボールへのチャレンジを行いエラーから不利な状況を作り出してしまいます。2失点目に繋がる1つ前の守備はその連続でした。

ゼルビアの守備モデルはエグいほどの横圧縮ゾーンディフェンスであり、活かすためには数的優位が構築されるまでは奪いに行かない、つまり我慢が必要で、密集エリアに追い込むことを優先させるべきです。

②縦の侵入を切れていない

これも守備あるあるです。相手をサイドに誘導したまでは良いけどもそこから縦に突破されてしまいます。そして狙い通りのゾーン守備が出来なくなり、その結果、後退しながら相手を追いかけて守備を行うのでブロックは崩壊しピンチに繋がります。

4失点目がそうです。ここは酒井が縦を切り時間を作れれば大谷と連携して守れたと思います。

縦突破される根本的な要因はおそらく相手の利き足を意識しきれていないことや、サイドチェンジを怖がっていることだと考えます。改善するには相手の進行方向に対して面で迎え撃つ意識を持てば、状況は好転すると思います。

③奪取方法の意思統一が無い

①や②のエラーが発生するのは結局どこでボールを奪うか意思統一されていないからでしょう。キック&ラッシュとセカンドボール回収を主戦略とした弊害とも考えられます。

何のために横圧縮で守備をするのか?相手を封殺して攻撃に転じるため。つまりゼルビアの守備は攻撃の始まりです。相手の攻撃に対してどう誘い込み、どう奪い、どう攻撃に転じるか。地上戦パターンを再度見直す、突き詰める必要があるでしょう。

上の図は24:30辺りのツエーゲンゴールキックから始まる一連の守備のシーンで、これらの課題を包括したピンチな場面だったと言えます。

強風や被セットプレーでの失点がトリガーでしたが、上記の要因でかなりの劣勢を強いられてしまいました。

ゼルビア機能不全の理由② 攻撃

①即時奪取のプレス耐性が無い

自陣でボールを奪い攻撃に転じる際に、相手はゼルビアの様に即時奪取の戦術を行う事が主流となりました。プレッシャー回避のため1,2タッチで味方に預けられる能力は「プレス耐性」と呼ばれていて、特にMF、DFに求められているスキルです。

ゼルビアの横圧縮に合わせて相手もコンパクトになります。なのでゼルビアには狭いエリアを抜けるためのプレス耐性が必要です。しかし相手の即時奪取に対してはラフなキック&ラッシュで回避することが優先となっています。これが今年は悪循環を生んでいるし、キックも封殺されるケースも目立ちます。

ロメロの様な交わせる選手や横パス、キックフェイントなどを絡めて攻撃に転じなければなりません。

②カウンター設計に乏しい

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ゼルビアもリスク覚悟で相手の攻撃を防ぐ場面はありました。しかしその後のカウンターが上手く行きません。カウンターは「縦に狭く」がセオリーでありゼルビアもそれは実践出来ていますが、ボールホルダーと囮兼パス受け手役との連携が取れていません。その結果カウンターは遅れてチャンスを逃しています。

ゼルビアのカウンターはワンサイドアタックのトレーニングの延長で仕込んでいる仮定しますが、即興性が強いのかセオリーを守れていないのではないでしょうか。結果的に悪手となることが多いと思います。

③ゴール前でニアに寄りがち

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ワンサイドアタックで設定しているルールなのかもしれませんが、ゼルビアは得点を狙うため選手がニアサイドに走り込む傾向があります。そしてクロスが跳ね返されたり、左サイドからのアタックが多いため利き足でシュート出来ずに終わる事が多いです。

図は両方ともニアとファーが両方とも埋められるのに選手がいるにも関わらずファーに行くべき選手がニアに向かい得点機会を喪失していた場面です。1つ目はカウンター時、2つ目は前半キックオフ直後の局面です。得点感覚を持ち合わせていれば開始約20秒で先制していました。

いま一度ポジション役割とコンパクトスタイルの特徴を整理してスペースの有効活用を意識する必要があります。

おわりに

弱点を露呈してしまい今後の対戦に大きな影響を与える試合でした。当然他チームもこの試合の内容を分析して戦略を考えるでしょう。それを踏まえた上でゼルビアは相手を意識しながら戦わなければならない厳しいシーズンとなりました。

2年前と似た状況ですが、あの時と違うのはSPLYZA Teamsの様な手軽な分析ツールで人海戦術も活用すれば振り返りが容易に行えること。枝D理論の様な守備の規準が世に広まりつつあること。などブレイクスルーの可能性を秘めた手段があることでしょう。

ゼルビア戦士は皆Jリーグで通用する素晴らしい実力者でありトップアスリート。山内の左足ゴール、それに繋がる岡田の突破などスゴいモノを持っている選手が揃っています。きっかけさえ掴めば昨年以上の素晴らしいチームになるはずです。

僕は今年のゼルビアはこれらに気付けるかが勝負だと考えていて、伝えられればとの思いもありZASの運営を始めました。幸いにも初動から賛同してくれる方や支援を表明してくれる方がいてくださるので、皆さんの助けを借りながらゼルビアがより強くなるサポートが出来ればと考えています。

 

(TanaLifeからのお知らせです)

ゼルビアアナライジングサポーター(ZAS)について|TanaLife|note

 

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