2018 第9節 ジェフユナイテッド千葉 vs 町田ゼルビア プレビュー3 ~分析~
J2第9節。ジェフユナイテッド千葉×町田ゼルビアのプレビューの続きです。今回はジェフの戦術についてざっくりと分析したいと思います。
ゼルビアと同様にハイライン&ハイプレス戦術を基本とするジェフ。しかし両チームのプレースタイルには大きく違いを見ることができます。まずこの2つの戦術は主に攻⇔守の切り替え(トランジション)の局面で効果を発揮するものであって、その他の局面ではまた別の戦術・アイデアを持ちながらサッカースタイルを形成します。なのでそこに違いがあれば、それは異なるスタイルであると言えます。
また、ハイライン&ハイプレスでも目的が異なればスイッチを入れるタイミングなどに違いが見えてくるはずです。同じようで同じでないゼルビアとジェフの対戦。簡単ですが分析を行い、ジェフに勝つポイントを探りたいと思います。
第9節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。
1.トピック 2.ジェフサポさん視点の分析 3.分析 マッチレビュー
守備
前線のプレッシング
ジェフのハイプレスについて分析したいと思います。相手が自陣からの組み立ての際はペナルティ付近でも超攻撃的なプレッシングを仕掛けます。
プレッシングのスイッチは船山もしくはボールサイドのSHになります。目的は追い込むとかでなくあくまでボール奪取です。ゾーンを狭くして侵入する相手に対して勢いよく奪いにいきます。組織的ではありますがボール奪取力はさほど感じません。連携しての奪い方、追い込み方など緻密とは言い切れないと思いました。
しかしハイラインも含めてハマったら恐ろしいです。詳しくはポジトラの敵陣でボール奪取時をご覧ください。
自陣でのブロック守備
ツエーゲン戦では自陣での守備ブロックは基本的には4-3-3でした。逆サイドのSH、特に町田はWGの様な位置に残ることが多いです。素早くカウンターを仕掛けたい意図を感じました。
守から攻の切り替え(ポジティブトランジション)
敵陣でボール奪取時
ハイライン&ハイプレスの目的はそのままゴールを奪いに行くことです。前線にはターゲットマンのラリベイや、速攻に強みのある船山や町田がゴールを狙います。また上の動画の通り茶島などのCHの攻め上がりもあります。
昨年フクアリでのゼルビアの2失点目は、ジェフのハイライン&ハイプレスにより空中戦とバックパスで自滅して船山にゴールを奪われてしまいました。それからまだ半年しか経っていません。繰り返さないよう応援で後押ししたいです。
自陣でボール奪取時
自陣でボールを取り返したらサイドを起点にポゼッションを確立しようとします。サイドで奪ったときはCB→逆サイドのSBへと展開することもあります。そしてSBから縦へと展するパターンが多いと思います。
ジェフは元々ボール支配率が高くあまり自陣でボール奪取し攻撃に転じる機会が見られないのですが、ゼルビアとの勝負ではその様な機会が増えると予想されます。そして逆サイドにボールを回されるのはゼルビアにとっては危険な攻撃のされ方ですので、全力で阻止したいです。もしくは今節も酒井のカバーリングがゼルビアを救うかもしれません!
攻撃
自陣からのビルドアップ
ゼルビアに無くてジェフにあるもの。それがこの自陣からの組み立てです。詳細はジェフブロガーさんの記事をご覧ください。簡単に言うと、
CBがワイドに開いて、サイドの選手が高い位置に移動し、CHが降りてきたりしてポゼッションを行います。目的は相手を誘い出して自陣から相手を剥がして数的優位を作りながらボールを運ぶことです。GKも積極的に加わり確実に数的優位を生み出そうとします。
最近の試合ではSBを起点にしてビルドアップを図ろうとしていますが上手くいっていないようです。
ツエーゲンはジェフをよく分析していて、いつもより高い位置でプレッシングを開始して奪取からシュートまで運んでいました。この試合ではジェフの左SBに本来右の溝渕を起用していていました。上の画像は溝渕がCBからボールを受けたときに利き足とスキルの都合上、前を向くのが難しい状況に陥りCBに戻した所を狙われる場面です。
当然ゼルビアも狙い所とすると思います。積極的に奪いに行きたいです。
ジェフは傾向としてSBが詰まったらロングボールで前線に運び船山やSHを走らせます。と言うかその攻撃の方が得意です。
動きを封じるためゼルビア側がハイライン&ハイプレスを仕掛ける状況が生まれるでしょう。ゼルビアのハイプレスは横がコンパクトなためボールサイドは数的優位になることができます。しかし逆サイドや裏のスペースはガラ空きになります。果たしてどちらに軍配が上がるのか、試合全体での重要なポイントとなるでしょう。
敵陣での組織的な攻撃
自陣での組み立てで数的優位を作り、継続してミドルサード、ファイナルサードへ進みスペースを生み出してゴールを狙うのがジェフが最も行いたいサッカーだと思いますが、ジェフが得意なのは素早く前線へボールを運んでからのサイドアタックです。(ポゼッションは隠れ蓑なのではと邪推してしまう…。)
そして縦の突破が相手に封じられると全体が押しあがっている状況で敵陣での組織的な攻撃へと移行します。CB以外の8人で相手を崩しにかかります。
とくに注意が必要なのはFW船山とボールサイドのSHの動きで、MF-DF間やCB-SB間のなどスペースに位置取って相手の守備ブロックの綻びを狙います。
ボールサイドではSBがパス&ゴーなどでサイド裏からのクロスを狙い、逆サイドのSHはペナルティエリア内に侵入しゴールを狙います。そこにFWラリベイが絡んで決定機を生み出そうとします。
ジェフが敵陣で攻撃をしている際に特に気を付けたいのは逆サイドのDFの攻め上がりですね。ジェフが4バックならSB、3バックならCBエベルトに注意が必要です。
サンガ戦の先制点。ジェフの二次攻撃の場面ですが、サンガはエベルトの攻め上がりを警戒しておらず見事なヘディングを決められています。サンガも4バックのチームなので参考になると思います。今節のメンバー予想には右SBがゲリアとなっていて、未知数ですがこのようなプレーがあるかもしれません。逆サイドのDFの攻め上がり要注意です。
攻から守への切り替え(ネガティブトランジション)
即時に奪いに行くパターン
ジェフの縦パスが相手に渡ってしまったときは即時奪取を図ります。船山はGKまでボールを追いかけますので注意が必要です。
ジェフの弱点にファイナルサードでの攻撃で人数をかけている場合に、ボールロストした時の予防となるポジショニングが設計されていないと言うものがあります。詳しくはじぇふともさんの記事をご覧ください。
【ハイラインの明暗】【2018明治安田生命J2第1節】東京ヴェルディvsジェフのアレコレ – じぇふともアレコレ
ハイラインの目的の一つに相手の速攻をオフサイドを意識させて封じるというのがあると思いますが、ポジトラを意識しない攻めをしてしまうと、ハイラインは相手にとってのボーナスとなってしまいます。分かります〜。
ゼルビアも当然狙いたいです!ロングカウンター成功率は低いですが、杉森を起用していたらチャンスがあると思います。
リトリートするパターン
しませんw
でなくてゼルビアと一緒でボールロストから後退を余儀なくされる場合は相手に縦パス1つで窮地に追いやられることが多いため間に合いません。我々が熟知してるパターンです。
ツエーゲン3点目の場面。ジェフは得点を取りに行っていたためあくまでもハイライン。DFが縦パスを跳ね返さなければ即失点です。いや〜親近感あるぅ〜(*´∀`*)
ちなみにプレッシングがかからない状況かつ守備ラインの手前でボールを運ばれたときはリトリートです。ジェフがリトリートするときピンチの度合いは小並です。まだ得点を奪えるか分かりません。
あまりリトリートする機会はないですが、雨ならば相手のドリブルのミスを期待してリトリートが増えるとは思います。
ゴールキック
攻撃時
ご存知の方も多いと思いますがジェフはゴールキックでDFにパスを出して自陣から組み立てる攻撃へと繋がるパターンが多いです。4バックならCBがワイドに開いてCHが降りてきます。
ビルドアップには問題があるし、天候が悪くてもゴールキックからポゼッションを始める傾向もあります。言わずもがなゼルビアにとっては狙い目です。ツエーゲン戦ではこんな形で失点しています。
おそらく今節も雨や風が影響する試合となりそうです。ジェフがゴールキックでロングボールを避ける機会があるかもしれません。この様なプレーを見せるならばラフでも素早く前線に出したり、杉森の突破でどんどん前にチャレンジするのが得策でしょう。
守備時
ツエーゲン戦ではゼルビアの様に縦も横もコンパクトな4-4-2の陣形で対応していました。CBがロングボールを跳ね返し、前線の選手がセカンドボールを回収しようとしますが、CBがただただ跳ね返すだけなのか、前線のポジショニングが悪いのか、はたまた慣れない布陣のためか、そこまでセカンドボールが回収出来ていないと感じました。
ゼルビアの今節のゴールキックターゲットは裕希なのか、もしかしたらドリアンがスタメンなのか。いずれにせよこちらのゴールキックにおけるセカンドボールの回収は重要です。
スローイン
個人戦術の域だと思いますが、船山のボールの受け方が上手くてターンしてペナルティエリア内に侵入します。SBはマークの仕方を誤ってはいけません。
CK・FK
攻撃時
ジェフのCKの攻撃は主に中に5人、ペナルティエリア付近に2人配置します。ツエーゲン戦ではキッカーは茶島。ゴール前に船山(170㎝)、密集部隊がラリベイ(186㎝)、為田(175㎝)、近藤(182㎝)、鳥海(181㎝)でした。また出場していれば指宿(195㎝)エベルト(191㎝)などが加わるはずです。指宿はそこまで空中戦の得点力は無い様ですが油断は禁物です。
セカンドボール回収役2人でニアサイド兼ショートコーナー役が町田、中央に熊谷を配置していました。
鳥海が囮またはフリック役でニアサイドに走って他のメンバーが拡散しゴールを狙うパターンが見られました。
また讃岐戦ではショートコーナーから得点を決めています。
ゼルビアは守備時に絶対に気を引き締めなければなりません。
守備時
CKの守備はマンマークで守ります。ストーンはニアサイドに2人です。指宿が出場していた場合は強力なストーンとなるでしょう。
ゼルビアがショートコーナーをどのようなパターンで行うのか注目です。今までは戸高がキッカー平戸の近くに位置していました。今節はおそらく負傷で欠場するので、誰かショート役なのか、側に立つのか、ゴール内から駆け寄るのか、など今まであまりしていないパターンで相手を揺さぶることが出来そうですね。
まとめ
- ハイプレスを交わしたらビッグチャンス!
- ハイプレスで奪われちゃったら大ピンチ!
- ハイプレスで奪っちゃったらビッグチャンス!
- ハイプレスを交わされちゃったら大ピンチ!
- 悪天候ならやれることはお互い少ない
- セットプレーはお互いドキドキ💓
- ジェフのゴールキックはこちらのセットプレーだ!
- 杉森考起は止められない!!
以上でジェフ戦のプレビューは終了です。試合開始時の天気は曇りの予報ですね。気温も寒くなさそうですが濡れるとまだしんどい季節なので、観戦される方は雨対策をしっかり行いフクアリに乗り込みましょう。僕のタオルマフラーはタオル役に徹する覚悟ができています。
皆さんゼルビーくんをマスコット対決で勝利させるため🐦美味しいスタジアムグルメを食い尽くすため🍛スタジアムでお会いしましょう⭐️それでは!
(独り言、ピーナッツソフトーッ!!🥜🍦)