2018 第3節 町田ゼルビア vs ヴァンフォーレ甲府 プレビュー4 ~セットプレー分析~
J2第3節。町田ゼルビア×ヴァンフォーレ甲府のプレビューその4です。今回はヴァンフォーレのセットプレーについて「ゴールキック」「スローイン」「CK・FK」の観点から分析します。
セットプレーはゼルビアにとって良くも悪くも生命線であり、チームも分析とトレーニングに力を入れているはずです。我々もより注目してみましょう。
第3節はこんな記事も書いています。良かったらご覧ください。
1.トピック 2.守備分析 3.攻撃分析 4.セットプレー分析 マッチレビュー
ゴールキック
攻撃時
ヴァンフォーレは自分たちのゴールキックをポゼッションするための手段として活用します。陣形は3-4-2-1を敷いて蹴る側サイドにいるDFは低い位置かつ大きく外に開きます。
GKは中央にいるDFもしくはアンカーのMFにショートパスを出して、相手をおびき寄せます。その後はCHにパスを出し、外に開いているフリーのDFに展開しドリブルで前進しミドルサードへ侵入します。
相手はフリーDFのドリブル侵入を防ぎたいのでSHがマークに付きますが、そうするとWBがフリーになるため緩やかに後退しつつ全体をサイド寄りにスライドします。
スライド対応が遅れるようならばヴァンフォーレは縦パスを出して、WBが前のスペースを突いて来ます。縦パスが出せなくとも前進することには成功しているため、ミドルサードでポゼッションを続けて敵陣への侵入を企てます。
ゴールキックを戦術的に利用はしていますが、ヴァンフォーレはまだポゼッションを得意としていないため途中でロストすることも多いです。ちなみに相手がゴールキックからのパスを狙っていると判断したら、GKがロングフィードに切り替えます。
守備時
5-2-2-1の守備ブロックを形成しロングボールを跳ね返しセカンドボールを回収しようとします。4バックのときは4-5-1になる様です。いずれもリンスが戻らずに2トップの様な状態になることもしばしばあります。
ゴールキックから始まるポゼッションに関しては狙い所を確認しプレッシングを仕掛ける場合もあります。ヴェルディ戦は相手に合わせてシステムを4-1-4-1を敷いたので、前線からゾーンを作りパス回しを防いでいました。アルディージャ戦ではわりと自陣でブロックを固めることが多かったと思います。
ゼルビアの対策
ヴァンフォーレのゴールキックからのポゼッションは狙い所です。ハイプレスで相手のやりたいサッカーを封じ込めて、奪ってからのショートカウンターを狙いましょう。どんどんプレッシングしてほしいので我々も最近生まれた名言を使わせていただきましょう。
他人事とは到底思えない名言きた。
— みぎ (@migiright8) 2018年2月26日
ハイライン裏のスペースは俺たちが埋める。だから裏行かれたら選手達は死ぬ気で戻れ!
※基本裏行かれた時点で俺たちは負け https://t.co/uZElWKbZDa
ハイライン裏のスペースは俺たちが埋める!!
スローイン
ファイナルサードでの戦略的なスローインは見られませんでした。自陣でのスローインはいくつか注意が必要なものがありました。
相手が密集している裏に出しています。そのままDFがドリブルで前進して数的優位を生み出そうとします。この様な運ばれ方は相手は後退せざるを得なくなるため気をつけたいです。
またスローインを投げた選手にダイレクトで戻して素早く前線に蹴り込むので、セカンドボール回収も気にしながらしっかりと人をマークしてボールを跳ね返すことが重要です。
CK・FK
攻撃時
左右ともにキッカーは左利きの堀米が務めます。キックの精度が高いので気をつけたいです。堀米が交代した後は小塚がキッカーとなっていました。
ヴァンフォーレのCK攻撃時は1人がゴール前に位置取り、他の5人は始め密集してから分散しゴールを狙うゼルビアと似たやり方をするのが特徴です。密集はニアサイド、ファーサイドどちらのパターンもあります。
アルディージャ戦でエリア内にいたのは、ゴール前がリンス(172㎝)、密集の5人は金園(184セ㎝)、リマ(187㎝)、ビョン・ジュンボン(185㎝)、湯澤(179㎝)、小椋(175㎝)でした。
CKはオーソドックスな形で攻めてくることももちろんあり、セカンドボールを拾えたら鋭いシュートを放ってくるのでしっかりとインプットしておきたいです。
ファイナルサード付近のFKに関しては、単純にクロスを入れるオーソドックスな攻め方をしていましたが、外に開いたWBに渡してからクロスという形も警戒する必要がありそうです。
守備時
ゴール前でのゾーンとマンマークのミックスで守っていました。画像はアルディージャ戦で失点したシーンです。ペナルティエリアの手前にいるマテウスに低いクロスを送り、左足で合わされました。このようにサインプレーに弱点がありそうです。
ゼルビアの対策
ヴァンフォーレのCKは密集から分散する際にマークを外さないように対応しなければなりません。特にリマのマークの外し方に注意が必要です。競合いが一瞬でも遅れると命取りになります。
こちらのCKはショートコーナーやサインプレーを頻繁に行い、相手を迷わせたところでゾーンの弱いファーサイドへ入れるのが良いのではないでしょうか。平戸のセットプレーの精度が素晴らしいので相手も警戒しているでしょう。それを逆手に取ってしたたかにゴールを奪いたいですね。
まとめ
フォトギャラリー:明治安田生命J2リーグ第2節『寺田電機製作所マッチデー』vs大宮アルディージャ | FC町田ゼルビア オフィシャルサイト
ヴァンフォーレのセットプレーで印象的なのはゴールキックからポゼッションを行うことでした。相手もゼルビアを分析しているため、そのようなパス回しをするか分かりませんが、シーズン開始間もないため試してくる可能性は大きいと思われます。そのちょっとした過信からヴァンフォーレの歯車を狂わせて勝利を狙いたいです。
またスローインなどで急いで前線に展開してきた時は、繰り返しになりますがセカンドボールをしっかりと回収すること、相手の即時奪取を交わすことが大事になってきます。
以上でヴァンフォーレ戦のプレビューは終了です。絶好調の平戸太貴はセットプレーから既に4アシスト。今節も美しいクロスを大いに期待しましょう。
試合当日は東北大震災の日ですので東北の方に祈りを捧げて、素晴らしい試合となるようにお互い精一杯チームを応援しましょう! 誕生日プレゼントを入れる袋にはまだ若干の余裕があります。 それでは皆さんスタジアムでお会いしましょう⭐️では!